「伝説の男」
海よりも、マグマよりも、深く熱く愛していた人を、その手で遠くに追いやった。
伝説の男と一緒に居ても、幸せになれないことを知っていたから。
真綿で包み、春の日差しの中で 一生笑っていて欲しい と本気で願った
神は居ないと分っているのに、名前も顔も知らない神に一心に祈り続けた。
伝説の男。
いつか、どこかの公園の片隅に 伝説の男の像が建つかも知れない。
そうしたらきっと、恋に悩む若い男女がやって来たりして 言うのだ。
「これが有名な伝説の男ね。片想いの果てに石になった伝説の男ね。」
そして、像になっても尚、伝説の男は想い人の居た西方を見ているのだ、などと噂話をするだろう。