グングン、グンマ。    








 僕は夜が好きです。
本当は、夜からイメージする人のことが好きです。

違う。昔は、もっと前は、僕にとってその人は昼間で、暖かくて温室の中みたいな人だった。
左隣。耳元に唇。僕の名前を呼ぶ。
知らない母のようで、死んでしまった父よりも父のようで、兄弟のようで、友達のようだった。
例えるならばね。どれもイメージの中の話です。だって僕には父も母も兄弟も友達も身近じゃない。
だってあの人が。 笑う。本当は、みんな。



----あ、あ、あ、足が。地面が揺れる。





 僕の注意力は散漫で放っておくと大変だから、蓋。

考えない。考えて良いのは実験のことだけです。実験のことだけです。
僕は体を鍛えなかった。僕は学校へは行かなかった。僕は何も知らなかった。それで良いのですって、あの人が。




 「穢れないで下さい」と、最後に哀願して去っていったものだから、僕は100人と寝たよ、高松。