おやすみなさい
誰かに僕を愛してほしかった。
このままでは僕はとても可哀想だから。
正直に言って、僕は父さんを憎んでいたりはしなかったんだよ。
僕にはわからない理由で僕を閉じ込めた父さん。
お兄ちゃんのことも僕は特別好きでも嫌いでもなかった。
助けたいって言って、でも結局助けてくれない。
そんな風に思ってたんだ。
僕は誰かに愛してほしかったけど、誰に愛してほしいのかよくわからなかった。
だから僕は僕をとても可哀想だと思っていたんだ。
ねぇ叔父さん、悲しそうな顔をしないで。
叔父さんは誰か好きな人いるの?
そう。僕も居るよ。その人の為に強くなるんだ。
お兄ちゃんもお父さんも本当には好きになれなかったけれど。
これからきっと好きになれると思うんだ。
僕は強くなるよ。
叔父さん、笑って?